ひたかみ創作メモ

IK Multimedia / ARC Studio(アークスタジオ)レビュー

IK Multimedia / ARC Studio(アークスタジオ)レビュー

2024年08月06日 11:47

ARC Studio レビュー
〜自宅でスタジオのような音響環境を手に入れる〜

 

あなたの部屋のスピーカーは本当に正確な音で鳴っていますか?

 

スピーカーから流れる音は、部屋の響きやスピーカー自体の癖によって本来の音とは異なる可能性があります。しかし ARC Studio(アークスタジオ)という革新的な音響補正システムを使えば、そんな問題も解決できます。ARC Studio はリスニング環境を測定し部屋の影響やスピーカーの特性を補正することでフラットな音響環境を実現します。つまり音楽仕様ではない普通の部屋でも、まるでスタジオのような正確な音で音楽を聴けるようになるのです。

 

ARC Studio 箱裏面 

部屋の環境はスピーカーの音質を大きく左右します。せっかく高音質なスピーカーを使っても部屋の響きや反射音の影響で本来の音質が損なわれてしまうことがあります。しかし自宅で本格的な音響補正を行うのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか? そんな方におすすめしたいのが IK Multimedia が提供する ARC Studio です。ARC Studio は部屋の環境を分析しスピーカーの音を最適化する音響補正システムです。わずか5万円台という手頃な価格ながら手軽に高精度な音響補正を実現します。自宅のスピーカーをスタジオにいるかのような音質にグレードアップすることができるコストパフォーマンス抜群の製品です。使い方も非常に簡単です。専用マイクとソフトウェアを使って部屋の環境を測定し、スピーカーの音質を最適化します。測定はわずか30分程度で完了し、誰でも簡単に操作できます。

 

専用マイクとソフトウェアを使って部屋の環境を測定 

今回は実際に僕の自宅の普通の部屋で ARC Studio を導入してみた感想をお伝えします。

 

ARC Studio 付属マイク 

 

1. ARC Studio はこんな人におすすめ

 

  • 音楽制作やミックスやマスタリング作業をもっと正確な音で行いたい方

  • 自宅のスピーカーの音質を向上させて制作環境を改善したい方

  • 映画やゲームや音楽をよりリアルで臨場感あふれるサウンドで楽しみたい方

 

2. ARC Studio の使い方

 

  1. オーディオインターフェイスに測定マイクを接続してスピーカーの前に設置

  2. ARC 4 Analysis(測定ソフト)を起動

  3. 画面の指示に従って測定を行う

  4. パソコンと ARC Studio を USB ケーブルで接続

  5. ARC 4(データ転送ソフト)を起動

  6. 測定データを ARC Studio に転送

  7. オーディオインターフェイスとスピーカーの間に ARC Studio を接続して補正スイッチをオンにする

 

ARC Studio 前面 

3. 購入前に知っておきたいポイント

 
測定にはファンタム電源を供給できるオーディオインターフェイスと、一般的なボーカル用のマイクスタンドと、オーディオインターフェイスと測定マイクをつなぐ XLR ケーブル(4mくらいあればストレスなく測定できます。)が必要です。

 
あと僕の場合はオーディオインターフェイスと ARC Studio をつなぐ TRS から XLR の互換ケーブルと ARC Studio とスピーカーアンプをつなぐ XLR から RCA の互換ケーブルを新たに購入しました。ちなみにケーブルはゴッサムというメーカーのものです。
 

4. 測定の手順

 
ARC 4 Analysis(測定ソフト)を起動します。

ARC 4 Analysis STEP 1 

測定マイクの種類を選択します。僕は付属マイクを使用しました。

ARC 4 Analysis STEP 2 

オーディオインターフェイスの、測定音を発信する出力と測定マイクを接続する入力を設定します。

ARC 4 Analysis STEP 2 

測定する環境を選択します。僕は部屋のスピーカーの配置が最も近い「Monitor Spot」を選択しました。
ARC 4 Analysis STEP 3 

画面の指示通りの高さと位置にマイクを配置します。

ARC 4 Analysis STEP 3 

スピーカーからテスト音を出して普段の音楽を聴いている音量に調整します。

※テスト音は大きいので必ずスピーカーの音量をゼロにしてから上げていきます。

ARC 4 Analysis STEP 3 

マイクの入力ゲインを「Correct」の範囲に収まるように調整すると「DONE」と表示されて次に進めます。
ARC 4 Analysis STEP 3 

簡単に7ポイントだけ測定するか、詳細に21ポイント測定するかを選択します。僕は21ポイント測定することにしました。

ARC 4 Analysis STEP 4 

ここから3つの Layer(高さ)で測定します。Layer 1 は耳の高さから15cm下です。

ARC 4 Analysis STEP 4 

順番に7箇所の位置で発信音を測定します。次の Layer でも同じ位置で測定するので目印をつけておくと、この後の作業が楽になります。

ARC 4 Analysis STEP 4 

7箇所の測定が完了すると次の Layer に進めます。

ARC 4 Analysis STEP 4 

Layer 2 は耳の高さです。

ARC 4 Analysis STEP 4 

Layer 3 は耳の高さから15cm上です。

ARC 4 Analysis STEP 4 

全ての測定が完了するとデータを保存します。目印としてスピーカーのアイコン画像を選択して名前をつけます。

ARC 4 Analysis STEP 5 

ARC 4 Analysis での作業はこれで完了です。

ARC 4 Analysis STEP 6 

パソコンと ARC Studio を USB ケーブルで接続して ARC 4(データ転送ソフト)を起動します。

ARC 4 

「STORE」をクリックして測定データを ARC Studio に転送します。

ARC 4 転送 

完了したらオーディオインターフェイスとスピーカーの間に ARC Studio を接続して補正スイッチをオンにします。

ARC 4 

5. ARC Studio を使ってみた感想
 

実際に ARC Studio を使ってみたところスピーカーの音質が劇的に改善されました。低音域が強化され今まで聴こえにくかった音がはっきりと聴き取れるようになります。また音全体のバランスが整い定位がより明確になります。そして耳に痛い成分が無くなり長時間聴いても疲れない音になります。

 

いつもミックスのリファレンスにしている Avril Lavigne の Bite Me を最初に聴いた瞬間、大げさですが鳥肌が立つぐらい音が良くなったのを実感しました。音の輪郭がくっきりと浮かび上がって空間が広がり、よりリアルに感じられるようになりました。ARC Studio を使い込んでいくうちに良いミックスはより良く、悪いミックスはより気持ち悪く聴こえるようになりました。

 

ARC Studio は音楽や映像をより一層楽しむための強力なツールです。スタジオのような音響環境を手軽に実現し本来の音の良さを引き出します。音質にこだわりたい方には是非おすすめしたい製品です。

 

ARC Studio を手に入れて自宅で最高の音楽体験を楽しんでみてください!

 

 

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